今日は高齢者の睡眠障害についてレポートします。
高齢者の不眠、3つのタイプ
一日の終わりの睡眠はリラックスして良い眠りにつくのが理想なのですが、なかなか寝付かれない、途中で目をさますなど睡眠のリズムが乱れるなどが起こることがあります。
高齢者は、約3割の人が眠りに関する悩みを抱えているといわれています。
1 中途覚醒・・・寝ている途中で目が冷めてしまう
多い人では1時間ごとに目が覚めるケースもある。
目が覚めたときにトイレに行こうと、暗い中を移動すると、転倒、骨折につながる危険もある。
高齢者の不眠で最も多いタイプ。
2 入眠障害・・・寝床に入っても、なかなか寝付かれない
入眠障害が繰り返されると、眠れないことがストレスとなり、ますます寝付けなくなるという、不眠の悪循環を招く。
3 早朝覚醒・・・朝、予定の起床時間よりも、2時間以上早く目覚めてしまう
例 午後8時に就寝して午前3時に起床する状態が続く(起床時刻だけではなく、就寝時刻まで早くなってしまう)
極端な「早寝、早起き」が慢性化すると「睡眠・覚醒相前進障害」という、睡眠障害の一つだと考えられる。
不眠のタイプ別の対処法
1 中途覚醒の対処法
中途覚醒の原因の1つは体内時計の乱れにある。
高齢者は多くの場合、子育てや仕事を引退するなどライフスタイルの変化から日中の活動量が減っている。
日光を浴びる量も減ることで、体内時計の働きが低下>>睡眠に導く「メラトニン」の分泌量が減る>>中途覚醒が起こりやすくなる。
* 加齢とともに、眠りの質、必要な睡眠時間は変化する。
「遅寝、早起き」で眠りの質を高める
いつもより30分から1時間遅く就寝>>朝は30分から1時間程度早起きする
2 入眠障害の対処法
睡眠に対し高齢者はストレスの影響を受けやすい。
眠れないことがストレスになり、かえって目がさえてしまうという悪循環になることもある。
眠れないときは、一度寝床からはなれる>>居間で軽い読書などをして過ごす>眠くなってから寝室に行く。
早朝覚醒の対処法
体内時計のリズムがずれて、早まりすぎている場合が多い。
体内時計の修正
朝の日光を避ける
目覚めてもカーテンを開けないで、体内時計のスイッチが入らないようにする(散歩をする場合は時間をずらせて行い、サングラスなどで、目に光ができるだけ入らないようにする。
まとめ
高齢者の不眠は3つのタイプがある。
中途覚醒、入眠障害、早朝覚醒で、高齢者の3割が眠りに関する悩みを抱えている。
中途覚醒の対処法は、高齢者になって眠りの質、必要な睡眠時間も変化しているので、「遅寝、早起き」をして睡眠時間を短くする。
入眠障害の対処法は、眠れない場合、寝床から離れ、居間で読書などして、眠たくなるまで寝室には行かないようにする。
早朝覚醒の場合、体内時計が早まりすぎている場合が多いので、目覚めたときはカーテンを開けず、体内時計のスイッチが入らないようにすること、散歩は時間をずらせること、サングラスで目に光ができるだけ入らないようにする。
対処方法を試して良い眠りになるようにしましょう。
参考書籍 NHKきょうの健康 2021 3月号