顎関節症は虫歯、歯周病と並ぶ非常に多い歯科疾患です。
(日本人の2人に1人が一生に一度は経験すると言われている歯の病気)
顎関節症について書いていきたいと思います。
顎関節症
3つの症状
1 口を開くと痛みがある。
(咬筋、側頭筋、顎関節に痛みが起こりやすい。咬筋や側頭筋の痛みの原因は「凝り」顎関節の痛みの原因は顎関節内の炎症や周囲の靭帯の損傷などで起こる)
2 顎を動かすと音がする。
(音が出る原因は関節円板のズレで起こる。しかしこの症状だけの場合は日常生活に影響がなければ治療の必要はあまりない)
3 口を開けにくい。
(顎関節でクッションの役割をする「関節円板」がずれると口が開かなくなったりする。人さし指、中指、薬指の3本を縦にして入れられなかったり、痛みが出る場合は顎関節症の疑いがある)
TCH(顎関節症の原因となる癖として新しく注目されている)
TCHとは上下の歯を接触させる癖(ものを食べたり、会話をしているとき以外に、上下の歯が触れ合っている状態のこと)
軽く触れ合っている状態でも、長時間であると筋肉が疲労して、顎関節に負担がかかる。TCHがあると顎関節症の痛みが治りにくくなる。
顎関節症の治療
顎関節症の治療は原因となっている生活習慣を見直すこと。
顎関節症の4つのセルフケア
1 TCHを認識する
(自分にTCHがあることを認識して普段から「上下の歯を離す」「噛みしめないように力をぬく」ことに注意をする)
2 開口訓練
(親指を上あごの前歯に、人さし指を下あごの前歯に当てる。強い痛みを感じない無理のない範囲で上下の歯の間を広げていく。
10回を1セットとして、1日数セット行う)
3 生活習慣を見直す
(顎に負担がかかる「頬杖をつく」「うつ伏せ になる」姿勢を取らないようにする。悪化を防ぐだけではなく、改善、予防にもなる)
4 筋肉をほぐす
(*その1 側頭部から頬に向かって手のひらや指で撫でるように動かす。10回を1セットとして、1日数セット行う。
*その2 口は閉じて、上の歯と下の歯の間は開けて、両頬をふくらませる。そのまま、上、下、左、右と順に膨らませるのを、それぞれ5秒間かけて行う)
まとめ
顎関節症は虫歯や歯周病などと同じく多くの人がかかる病気です。
症状は口を開くと痛みが出たり、顎を動かすと音がしたり、口を大きく開けることができない状態になります。
1つでも気になる症状があれば歯科の受診が必要です。
新しく注目されているTCHは「上下の歯を接触させる癖」という意味があります。このTCHの症状があると、顎関節症の痛みが治りにくくなります。
顎関節症の治療で重要なのは原因となっている癖や生活習慣を見直すことです。
家庭でできる4つのセルフケアをして症状の改善に務めることが大事です。
NHKテキストきょうの健康2019年6月号