お買い物に行ってバスを降りてふと景色を見ると田んぼの黄色と赤いヒガンバナが目に留まりました。美しい田園風景です。
私の住んでいる豊中は町ではあるのですがやはり田舎の部分も沢山あります。
地理的には箕面市に近いので、少し散策をするとすぐに箕面市に出てしまいます。丁度、境目なのです。
バスで降りたのは箕面市の芝西と言う場所です。まだ、農業をしている方がいて稲穂の揺れる風景が見られます。
そこに少しお得な店があるので時々出かけることにしているのです。
ヒガンバナ
撮影:わたし
赤くてとっても凛々しいお花ですが私の小さい時は母から「触ってはダメ」と言って触らせてはくれませんでした。
ヒガンバナのことを調べるうちに母が言っていたことは嘘ではなかったことが分かりました。
ヒガンバナのこと
☆ヒガンバナ科 ヒガンバナ属
☆名前・・・ヒガンバナの名は秋の彼岸のころから開花することに由来する。(別名のマンジュシャゲは法華経等の仏典に由来する。)
日本での分布・・・日本では北海道から沖縄まで見ることが出来る花です。
☆自生ではなくて中国からの帰化植物。
☆稲作の伝来時に土と一緒に麟茎が入っていて広まったと言われている。
☆土に穴を掘る小動物を避けるために有害な麟茎を持ち込み畦や土手に植えた。(
小動物とはもぐらのことでしょうか)
麟茎
地下茎の1種で短い茎のまわりに養分を貯えた肥厚な麟辺葉が重なって球形になったもの。小麟茎を作り繁殖する物もある。球根ともいう。
ユリ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、スイセン、ニンニク、タマネギ等は鮮茎です。(茶碗蒸しなどに入れる「ゆりね」は麟茎だったのですね。お正月などに残ったユリネを植えるとオレンジ色のユリの花が咲きますよね。)
☆ヒガンバナの麟茎は適切に使えば薬にもなります。毒(アルカイド毒)を水にさらして抜きそれを救済食にもなる。(毒を抜くと食べられることを知っていて運び込まれたのかも知れません。)
☆田畑の周辺や堤防、墓地などに見られることが多い。(昔はどこの道端にも沢山咲いていました。)
有毒性に付いて
全草有毒です。特に麟茎にアルカロイド毒を多く含む有害植物。
間違って食べた場合は、吐き気、下痢を起こしひどい時は中枢神経マヒを起こして死に至ることもある。
稲の穂
撮影:わたし
稲のこと
☆稲の食べる部分の主成分である澱粉は「アミロース」と「アミロペクチン」に分けられる。
☆お米の食感は両者(アミロースとアミロペクチン)の含有配分によって大きく異なる。
☆アミロースが少ないお米は、加熱時にやわらかくモチモチした食感になります。(日本人は低アミロースのお米が美味しいと感じます。日本人の好みは世界的には少数派です。)
☆アミロースが多いとパサパサした食感になる。(外国の人たちはパサパサが好きということですね。)
モチ米のこと
通常のお米は20パーセント程度のアミロースがを含んでいるが、遺伝的欠損によってアミロースが0パーセントの品種がある。それがモチ性品種です。
この遺伝的欠損を持つ品種は稲だけではなくアワ、キビ、ハトムギ、モロコシ、トウモロコシ、オオムギに見つかっている。
モチ性品種が栽培されている地域は東南アジア山岳部の照葉樹林地域に限定されている。
日本列島西半分を「モチ食文化圏」と呼ばれることもある。なぜなら、同じ照葉樹林に覆われており、ハレの日(祝いの日)にモチを食べる習慣がある。(おこわ、赤飯、おもち)
東南アジアの人たちももち米を食べているのですね。それが日本へ伝わったということですか。
撮影:わたし
稲の伝来のこと
1、江南地方(長江下流域)から九州北部の直接伝来ルート。
2、山東半島もしくは遼東半島を経て朝鮮半島を経由したルート。
3、南方の照葉樹林文化圏から黒潮の乗ってやってきた「海上の道」ルート。
この3つの説があるそうです。
ヒガンバナも稲もいろんな歴史を重ねてきて今があるのですね。お花を見る時もご飯やお餅を頂く時もその歴史を思い返してみなければと思っています。